建築・施設のデザイン
公共施設等建築物の基本設計及び実施設計、住宅地の設計・計画など、具体の空間デザイン(設計)に係わる業務です。
喜多能楽堂の改修計画・設計・監理・施工者選定支援
昨今、国立能楽堂の建替え不調や能楽堂を含む複合開発の係争がニュースを騒がしている中、築50年超の既存施設を再生する形でリニューアルを行いました。
当初は、マンションと一体的な開発の地下に能楽堂が押し込められる計画となっており、見所内に大きな柱が必要、大切な能舞台をそのまま移設することが難しい等、能楽堂としての性能が確実に下がるという難しい問題を抱えていました。基本計画を通じた改修プログラム検討と工事費用の算出、資金調達の検討(最終的に日本財団から2億円、クラウドファンディングで1億円以上の寄付獲得)等を通じて、クライアントに永続的な流派本堂の必要性を説明し、既存館の改修という大きな決断をしていただきました。
性格上、能楽はなかなか稼ぐことが難しい芸能ではありますが、次の建替えも見据え、見所や稽古場の他流派や全く別の用途への貸出も含めて、少しでも自立的な館になろうとしています。
能の演目と同様、既存のものへのリスペクトを忘れず、意匠的には今の時代にあわせた慎ましい変更を行っています。その中で、我々が大切にしたことは、「能楽堂をひらく」、「見所環境の向上」、「伝統の継承と発展」の3点です。鑑賞される方々の滞在時間を豊かにし、新たな利用者を増やすことを目指して、建築的に開放的なイメージをつくることを念頭に、建物の耐震化、バリアフリー化、内外装の補修・更新、音響や照明の改善等を行っています。
当初は、マンションと一体的な開発の地下に能楽堂が押し込められる計画となっており、見所内に大きな柱が必要、大切な能舞台をそのまま移設することが難しい等、能楽堂としての性能が確実に下がるという難しい問題を抱えていました。基本計画を通じた改修プログラム検討と工事費用の算出、資金調達の検討(最終的に日本財団から2億円、クラウドファンディングで1億円以上の寄付獲得)等を通じて、クライアントに永続的な流派本堂の必要性を説明し、既存館の改修という大きな決断をしていただきました。
性格上、能楽はなかなか稼ぐことが難しい芸能ではありますが、次の建替えも見据え、見所や稽古場の他流派や全く別の用途への貸出も含めて、少しでも自立的な館になろうとしています。
能の演目と同様、既存のものへのリスペクトを忘れず、意匠的には今の時代にあわせた慎ましい変更を行っています。その中で、我々が大切にしたことは、「能楽堂をひらく」、「見所環境の向上」、「伝統の継承と発展」の3点です。鑑賞される方々の滞在時間を豊かにし、新たな利用者を増やすことを目指して、建築的に開放的なイメージをつくることを念頭に、建物の耐震化、バリアフリー化、内外装の補修・更新、音響や照明の改善等を行っています。
[発注者] 公益財団法人十四世六平太記念財団
[受託年度] 2021年度~2024年度
[受託年度] 2021年度~2024年度
*㈱SO&CO.及び㈱Hokamura DesignとJV
photo:HAYATO WAKABAYASHI
photo:HAYATO WAKABAYASHI
佐賀県史跡「伊東玄朴旧宅」の保存活用に向けた調査・設計・監理
伊東玄朴旧宅は、佐賀県神埼市神埼町の名勝九年庵(旧伊丹氏別邸)庭園等が並ぶ仁比山神社参道沿いに所在し、幕末の医者・蘭学者である伊東玄朴が文政四年(1821)に建築したといわれた旧宅です。
2018年度に茅葺屋根の葺替等の保存修理設計及び保存活用計画策定における痕跡調査の中で、文政四年より後年に増改築された姿であると判明しました。2022年度からの工事は現状の姿の保存修理として、あわせて活用を見据えつつも古写真等に基づき往時に近い外構回復への設計監理も行いました。
竣工後は工事中の発見物である文政五年と彫られた鬼瓦等の展示とともに公開活用されています。価値の把握から保存活用計画策定、設計監理にいたるまでの全工程に携わることができました。
[発注者] 神埼市
[受託年度] 2018年度~2024年度
*構造監理は㈱佐藤建築設計と協働
高尾山口駅周辺地区の都市計画方針から公園整備の計画、設計、管理の検討
京王高尾線高尾山口駅周辺のエリアを対象とした都市計画方針等の検討から、駅前の「高尾山ふもと公園」の計画・設計、管理計画等まで継続して検討支援を行いました。当エリアは、大勢の観光客や住民が利用する場で、観光と暮らしの共存を目指し、詳細な現況分析と地域対話を重ね、まちづくりの方針をまとめました。それを体現する場として、高尾山のふもとの新たな魅力となる公園整備に向け、東京都による河川整備と検討を共有・調整し、利用者である住民や商業者、来訪者等が参加するワークショップを通じ、河川空間と一体となった公園の設計を進めました。まちづくり方針から公園の整備・管理の具体化に向け、一貫した事業の調整を行いました。
[発注者] 八王子市
[受託年度] 2015年度~2024年度
*株式会社フォルクと協働
福岡市指定有形文化財(建造物)「住吉神社能楽殿」整備工事の設計監理
住吉神社は日本三大住吉神社の1つであり、重要文化財である住吉造の本殿をはじめ境内には多くの伝統的建造物が残っています。所在する住吉神社地区は、福岡市都市景観形成地区に位置付けられています。住吉神社能楽殿は国内に現存する桟敷式木造能楽殿2つのうちの1つとして希少な建造物であり、地区を形成する建造物としても重要であるため、老朽化や今後の活用を見据え、「⽂化財を健全化するための修理⼯事」「多様な活⽤に対応するための整備⼯事」の設計監理を行いました。今後の外部空間活⽤を重視し、隣接する伝統的建造物である神徳殿も取り込んだ空間デザインも⾏いました。設計監理にとどまらず、景観形成推進支援業務といった活⽤⽀援にも継続して携わっています。
[発注者] 宗教法人 住吉神社
[受託年度] 2020年度~2023年度
*㈱佐藤建築設計と協働
「yodge」玉川村における廃校リノベーションを起点に広がる着地型観光地づくり
2006年度に閉校した旧四辻分校の宿泊施設への改修とそれを核とした村全体の着地型観光地づくりを支援しました。分校の改修や地域資源のコンテンツ化等着地型観光地づくりに向けた構想作成支援や、その構想に基づく改修プラン検討のための地域住民とのワークショップの開催支援、施設の設計・監理を行いました。外観は背景にある山々を背負って建つ往時の校舎の佇まいを大切にし、建築内部は幅広の廊下を骨格に、音楽体育室を継承したカフェや宿泊室等を設けています。外部空間は、既存地形を活かした自然型の遊び・学びの場とする等、建物内外を通じて多様な活動が生まれる空間を創出しています。
[発注者] 玉川村
[受託年度] 2017年~2020年
*㈱SO&CO.とJV
「道の駅 伊豆月ヶ瀬」の計画・設計、管理運営の検討
伊豆縦貫自動車道の南進による月ケ瀬IC開通にあわせた新しい道の駅の地域振興施設の基本計画~施工管理、管理運営の検討支援を行いました。伊豆半島の中心に位置する立地特性や天城の山々、狩野川の清流といった地域の風景を最大限活かし、情報発信や地産地消の物販・飲食といった観光機能を備える施設とするとともに、地域の人々が日常的に使えるコミュニティ拠点となるよう設計しました。狩野川と一体となった空間形成は、風景としてのトータリティの獲得を目指して地元住民や各関係主体と共に検討・調整を行った成果であり、本施設の最大の特徴として他の道の駅との差別化に寄与しています。
[発注者] 伊豆市 [受託年度] 2014年~2020年 *㈱設計領域、昭和設計㈱、㈲ミクスドとJV
八女市指定有形文化財旧松木家住宅保存修理事業
黒木重要伝統的建造物群保存地区に所在する八女市指定有形文化財(保存物件)について、まちなみ交流館として活用計画から設計・監理を行いました。主屋は街なみ環境整備事業、別棟の釜屋は伝建事業を活用しています。町並み保存整備のロールモデルとして、痕跡に基づく復原修理に取り組んでいます。
[発注者] 八女市 [受託年度] 2006年~2011年 *九州事務所プロジェクト